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歯の根の治療、根管治療を繰り返さないための4つのポイント

根管治療は長い場合、半年から数年かかることもあり、長期の治療期間を有します。
特に再発した場合は、長期間の治療となるケースが多くあります。
ここでは根管治療を再発しないためのポイントをご紹介します。

ポイント①根管治療を得意とする歯科医院で抜髄する(歯の神経を抜く)

抜髄を行う際に細菌や根管が残っていると再発のリスクが高まるため、まずは歯髄する場合は根管治療を得意とする歯科医院を探して治療することをおすすめします。

参考:歯の根の治療(根管治療)が得意な歯科医院、名医を探す方法・根管治療の専門医とは?

ポイント②歯の根の治療の途中で治療を放置しない

根管治療は時に半年から1年ほどかかる治療です。

  • いつ治療が終わるかわからない
  • 痛みがなくなった
  • いつも数分で診察が終わり。通院が面倒。
  • いつ仮詰めでなくなるのかわからない

などの理由から治療を放置してしまう患者さんがいます。
治療のゴールを共有していない歯科医院の説明不足もありますが、根管治療を途中で放置してしまうと、より長期間の治療が必要になってしまいます。
いつ治療が終わるのか不安であれば担当の歯医者さんに相談して、最後まで治療を受けましょう。

参考:根管治療の期間と流れ

ポイント③歯が痛む、熱い物・冷たい物がしみる場合は、すぐに歯医者さんへ

根管治療は歯を残すための大切な治療法ではありますが、歯の神経が残っているに越したことはありません。虫歯の早期発見のためにも、歯に異変を感じたらすぐに歯科医院へ行きましょう。
そのためにもかかりつけの歯医者さんをつくることをおすすめします。

▼こんな違和感を感じたら歯科医院へ

  • デンタルフロスが引っかかる
  • 食べ物が挟まる
  • 詰め物や被せものがめくれている、舌で触ると引っかかる
  • 冷たい物や熱い物がしみる
  • 噛んだときに痛い

ポイント④定期的に歯科医院に通い、メンテナンスを受ける

違和感を感じたら歯科医院へ行くことも大切ですが、定期的にメンテナンスを受けることがより大切です。
虫歯は初期段階であれば、すぐに治療できますし、抜髄が必要なほど末期な症状に至らずに済みます。抜髄してしまうと、どんなに精密な治療を受けたとしても、神経がある歯と比べたらリスクはあります。
ですので、そもそもとして抜髄に至らないように、定期的に歯科医院へメンテナンスに行き、歯医者さんにいろいろと相談しましょう。
その際に歯科衛生士によるブラッシング指導やクリーニングをうけることで、より虫歯のリスクが減ります。
また、定期メンテナンスをうけることは虫歯だけでなく歯周病の予防にもつながり、永く健康な口腔状態を保つことにもつながります。

まとめ:根管治療は、歯科医院選び・治療をサボらないこと・治療後のメンテナンスが大切

根管治療(歯の根の治療)は、歯科医院の設備や歯科医師の技術により成功率(失敗率)が左右される難しい治療です。
ですから、治療を受ける前にしっかりと情報収集して、大切な歯を残してくれると信頼できる歯科医院で根管治療を受けることをおすすめします。

また、治療後に再発しやすいので、定期的に歯科医院に通い、虫歯を予防すること、さらに虫歯を早期発見し根管治療をしないこと、が何よりも大切です。
1回の治療で終わり、ではなく、「この歯科医師ならば、自分の歯を安心して任せられる」と思えるような歯科医院を見つけて、定期的に通院しましょう。

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歯の神経を抜けば痛みがなくなる!そのメリットの裏に隠されたデメリット・リスクとは?

歯を健康に保つために、「神経」は大切な働きをしています。

しかし、虫歯により我慢できないほどの強い歯の痛みがある場合、「根管治療」により歯の神経を抜くことで解決するケースがあります。
ただし、根管治療は「虫歯の痛みが取れる」というメリットがある一方で、長期的には歯の寿命が短くなるデメリット、リスクがあるのも事実です。

この記事では、根管治療で、歯の根(神経)を取り除いた時に注意すべき点を紹介します。

デメリット①神経がないと歯の寿命が短くなる

歯髄(歯の神経)の中には無数の毛細血管が有り、その毛細血管が歯に栄養を運んでいます。
神経を抜いてしまうと、歯に栄養が行き渡らなくなるため、無歯髄の方が寿命が短くなる傾向にあります。

歯の寿命が短くなるということは、つまり抜歯となり、歯を失うことになります。

デメリット②歯が割れやすくなる

無歯髄の歯は、枯れて栄養が行き渡らない木のような状態ですので、割れやすくなっていまいます。
特に土台(コア)にメタルコアを入れている場合、メタルコアは歯よりも硬いため、くさびを打ち付けているような状態となり、歯がもろくなったさいにそこから亀裂が入ってしまうリスクがあります。

歯が折れてしまうことを「歯根破折」といいます。
折れてしまった歯は残念ですが抜歯に至ることがほとんどです。

メタルコアが入っている歯に痛みを感じたらすぐに歯科医院に相談しましょう。

デメリット③歯の色が黒ずんでしまう

腐敗した神経や血管が象牙質に染み込むため、変色する可能性があります。
一度変色してしまった歯を元に戻すの困難です。

デメリット④虫歯が進行しやすい

神経がないため、虫歯になっていても痛み感じにくくなります。
そのため、神経を抜いた歯に虫歯ができた場合、虫歯の発見が遅れるリスクがあります。

デメリット⑤感染根管治療のリスク

すでに神経を抜き、根管治療を行った歯の根本に根尖病巣などの症状がでた場合は、根管治療を再度行います。
それを「感染根管治療」と呼んでいます。
感染根管治療による、再治療は、歯がより脆くなるリスクがあります。歯内を清掃する際にリーマーで根管の内側を削り取りながら細菌を取り除くため、歯が薄くなるからです。

抜髄した歯を長く持たせるためにはメンテナンスが必要不可欠です。主治医と相談し、定期的にメンテナンスに通いましょう。

まとめ:神経を抜いた歯のリスクを回避するためには、メンテナンスが大切

抜髄(歯の神経を取り除くこと)は、抜歯にならないようにする(自分の歯を残す)ために大切な処置ですが、神経を抜くことによるデメリットもあります。
それを克服するためには、根管治療が終わったからと安心するのではなく、定期的に歯科医院に通いメンテンスを受けることが重要です。

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根管治療中に「仮詰め(蓋)をせずに治療が終わった」という経験はありませんか?

仮詰めをしていない状態では、虫歯を取り除いたところに大きな穴が空いているのが不安になると思いますが、安心してください。
これは「根管開放」という治療法です。

あえて仮詰め(蓋)をしない、根管開放

根管治療を途中で放置してしまったり、長く虫歯を放置して悪化してしまった場合、歯の根に膿がたくさん溜まっている場合があります。

歯の根元から膿が大量に出ていたり、細菌が出したガスが溜まっている状態になると、歯の中の気圧が高まり、痛みや、顔の腫れといった症状が出ます。
中にはかなりの激痛を訴える人もいます。

そのため、根管の清掃が終わったあとに仮歯の処置をせずに、そのままにするケースがあります。それを「根管開放」といいます。
根管開放を行うと、それまで感じていた激痛や顔の腫れがひきます。

仮詰め(蓋)をせずに食事をしても大丈夫?

大きな穴が空いているので、食事をとることにためらう方は多いと思いますが、安心して食事をしてください。
治療中の歯では噛まないように気をつけていれば問題ありません。

いつもよりも少し念入りに歯磨きをして食べカスをできるだけ外に出すようにしてください。
また、治療中の歯に食べ物が入ってしまって取れない場合は、歯医者さんに相談しましょう。

根管開放のメリットとデメリット。臭いが気になる場合も。

根管開放については、歯医者の中でも意見が割れており、よしとする歯科医師もいれば、基本的には根管開放を行なわない、というスタンスの歯科医師もいます。

根管開放を行わない理由としては、「再発のリスクが高まる」という理由があげられます。
蓋をしないので、歯の根の中に唾液が入ります。唾液が歯の中に入るということは、細菌も歯の中に侵入します。
根管治療は、「歯内の細菌を除去する」ことが目的の治療ですので、再発のリスクが高まると考えられています。

また、それとは逆に、膿が出て歯内の気圧が高まり、激痛を引き起こしている場合は、根管開放を行って全ての膿を出し切った方が良い、と考える歯科医師もいます。

いずれにしても、何らかの理由があって仮詰めを行っていないと考えられるので、疑問がある場合には、よく主治医と相談することが大切です。

ただし、根管開放で膿が出ている状態では、膿による臭い(悪臭)が気になる場合もあるので、注意が必要です。

根管開放まとめ

歯の根の中に膿が溜まってる場合は、根管開放を行うことがあります。

根管治療は、最初に抜髄をした時に適切な処置を受けることが大切です。
ですから、根管治療を途中で放置したりせず、特に根管開放を行っている場合は、細菌が歯の根に入り込むリスクが高い状態ですので、継続して通院をすることを心がけましょう。

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歯の根の神経を取って虫歯治療が終わったはずなのに、また痛くなる…。その原因は?

根管治療は歯科治療の中でも非常に再発のリスクが高い治療法です。
日本では、歯の根の治療で歯髄を取ったあと、5割ほどの割合で再発してしまうと言われています。
一方で、海外の先進国、たとえば北米では、9割程度が成功する(再発しない)というデータがあります。

根管治療の失敗が多くなってしまう理由と、日本と海外で成功率に差がある原因について、説明します。

理由①歯の根は肉眼で見えない

歯の根、つまり歯の神経が通っている根管は非常に細い(直径1mm以下)ため、肉眼で直視できません。そのため、ある程度歯科医師の経験とカンにたよる作業が発生します。
中の細菌や神経が完全に取り除けない場合、再発のリスクが高まります。

理由②歯の根の本数と根管の複雑性

神経の本数や形は人によって様々なので、歯髄の取り残しが発生する場合があります。また、根管は複雑な形をしているため、これも取り残しの要因になります。
歯髄を取り残してしまった場合、歯髄が腐敗し細菌が繁殖し、再発につながるのです。

理由③使用する器具(ラバーダム・マイクロスコープ)の違い

根管治療の再発を防ぐためは「無菌化」と「歯髄の除去」を徹底することが大切です。
無菌化には「ラバーダム」の使用と、歯髄の除去には「マイクロスコープ」を使用することが重要となります。
しかし、保険点数の兼ね合いでラバーダムを保険治療で使用している歯科医院は、限られた数しかなく、マイクロスコープに関しては日本の歯科医院の導入率は1~15%ほどと言われています。

そのためラバーダムやマイクロスコープを使用して治療されることはほとんどありません。
このように精度の高い治療を受けられる環境が限られていることが再発につながっています。

理由④専門性

根管治療はどこの歯科医院でも受けられる、一般的な歯科治療ですが、その反面、専門医や認定医が不足しているのもまた事実です。
アメリカと比較すると日本の根管治療の技術は遅れていると言われています。大きな違いは専門性にあります。
アメリカでは根管治療専門医がおり、主治医と連携して治療を行うのが一般的です。マイクロスコープやラバーダムの利用率も日本とは比較になりません。

歯の根の根管治療は再発が多い治療と言われる4つの理由 まとめ

根管治療は設備と歯科医師の腕や経験により、治療後の再発率が変わってくる治療です。
特に初めの抜髄(歯の根を取るときの治療)が何よりも大切です。
信頼できる歯科医院を探しましょう。

参考:歯の根の治療、根管治療が得意な歯科医院、名医を見極める5つのヒント

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